ラグビーでは、昔はトライしても0点だった!?

最近、日本でも人気の高いスポーツにラグビーがあります。15人のチームが楕円形のボールを奪い合い、相手チームの陣地にボールを置くと、「トライ」として5点、その後ゴールキックしてポールの間をくぐると「ゴール」として2点が与えられます。ラグビーを観戦していて一番盛り上がる場面はやはり「トライ」ですね。でもラグビーが誕生した頃のルールでは、「トライ」しても得点は0点だったのです。

ラグビーが誕生した当時のルールでは、トライは文字通りゴールキックの権利を得るための「挑戦」に過ぎなかったのです。したがって選手が頑張って多くトライしたところで、その後のゴールキックに失敗すれば得点は入らないので試合には勝てません。たとえばあるチームが1試合で5回トライしてもゴールキックに1度も成功しなければ0点だし、一方、1試合で1回しかトライしていなくてもゴールキックに成功すれば試合に勝つことができます。

これでは選手がどんなに一生懸命プレイしてトライを獲得しても報われません。また相手チームの反則で与えられるペナルティキックによるゴールは2点だったので、無理にトライを狙うよりも相手の反則を誘ったほうが、より多くの得点を取りやすいので、選手はそればかりを考えるようになります。これでは試合を観戦している観客は面白くなく、退屈になってしまいます。

そこでルールが改められてトライが重視されるようになり、1948年にはトライ3点、ゴール2点に変更され、その後、トライの価値は1972年に4点、1992年に5点と年々高くなり、現在のルールに落ち着いたのです。

やはり「トライ」で高得点できるほうが見ている観客としても面白いし、試合に熱中することができますよね。