テレビ画面のサイズはなぜ「型」なのか?

家電量販店などに行くと、4Kや8Kの薄型大画面のデジタルテレビが店頭に並んでいます。すこし前は50型あたりが一番大きなサイズでしたが、最近は60型や80型など画面がどんどん大きくなり、大迫力を売りにした商品が多いようです。

ところで、テレビの画面の大きさを表すとき、「〇〇型」という単位を使いますが、この数字にはいったいどのような意味があるのでしょうか?実はこれは、画面の対角線の長さを表す数字で、単位はインチ(1インチは2.54cm)となります。それならなぜ「80インチ」と言わずに「80型」と呼ぶのでしょうか?

この理由は、テレビはアメリカから日本に入ってきたので、サイズ表記には欧米の標準規格であるインチを用いたのが現在まで残っているからと言われています。日本以外のアジア圏諸国でも同様で、サイズ表記にはインチが使用されています。

でも日本の商取引ではインチという単位は一般的にはなじみの薄い単位でイメージがよくつかめません。そこで、インチで表示される画面サイズを表すために『型』という日本独特の表記に置き換えたのです。それが現在でも残っているのです。

また、テレビ画面の大きさを表す場合、アナログテレビとデジタルテレビとでは、同じ型数でも画面の大きさが異なり、アナログテレビはヨコ4:タテ3、デジタルテレビはヨコ16:タテ9という比率になっています。

たとえば20型テレビの場合、対角線が20インチ(50.8cm)になるので、アナログテレビだとヨコ40.6×タテ30.9cmくらいに、デジタルテレビだとヨコ44.3×タテ24.9cmくらいの大きさになります。

最近アナログテレビはほとんど見かけなくなり、デジタルテレビが主流になっていますが、同じ型でも比率の違いで画面の大きさが違うのは面白いですね。