日本語の由来 あいさつ編 ③

私たちは昼間、知り合いや友人に会ったら「こんにちは」と言います。別れるときには「さようなら」と言いますよね。

「こんにちは」は「今日(こんにち)はいい日和ですね」「今日(こんにち)は御機嫌いかがですか」などの下の部分を省略したもの、というのが一般的によく言われる語源ですが、他にもおもしろい説があります。

昔は太陽のことを「今日様(こんにちさま)」と呼んでいました。そこで日中、人に会うと「今日様があなたを無事に守ってくれますように」という思いを込めて「こんにちは」と言うようになったという説です。

また「さようなら」は「左様ならば」の「ば」が省略されたものです。「そういうことならば」という意味で、「左様ならばこれにて失礼する」「左様ならばまたの機会にしよう」などのように、あとに別れを意味する内容が続いたので別れる時のあいさつになったと考えられます。

ここまで、あいさつの言葉を見てきましたが、それでは「あいさつ」という言葉はどこから来たのでしょうか。漢字で書くと「挨拶」で、「挨」には「押す・近づく」、「拶」には「迫る・近づく」という意味があります。

もともとは禅宗の師と弟子が行う問答のことを「一挨一拶」といいました。問答はお互いに心を開いて接するところから、しだいに人と会ったり別れたりする際に交わす言葉や動作を表すようになったようです。