昔のピアノは鍵盤数が決まっていなかった!?

楽器の王様とも言われるピアノ。現在のピアノの鍵盤数は白鍵盤52、黒鍵盤36の合計88鍵ですね。ピアノはもともとチェンバロという楽器が祖先ですが、18世紀頃に作られたチェンバロの鍵盤数は54鍵で、今のピアノの鍵盤数と比べてかなり少なくなっています。

実はピアノが発明された当初は、鍵盤数は決まってなくマチマチでした。その頃のピアノの鍵盤数は、68鍵、73鍵、78鍵、80鍵、85鍵などが確認できます。

19世紀後半になってようやく現在の形のピアノが登場します。その後20世紀に入ると鍵盤数が92鍵まで増えたピアノも登場しますが、最終的には今と同じ88鍵に落ち着きました。

なぜ88鍵になったのかの理由について、それを裏づける資料が見つかっていないのですが、だいたい次のような理由からだと言われています。

① 88鍵の最低音である「ラ」よりも低い音や、最高音の「ド」よりも高い音は、人にとってはかえって耳障りな音に聞こえる。

② 人が聞こえる音の範囲の限界が88鍵だから。

③ 人が座ったまま演奏できる範囲。つまり手が届く範囲が88鍵だから。

偉大な作曲家たちは、88鍵以上の音を使う作品を作っていないわけだから、やっぱり88鍵が人にとっては「ちょうど良い」ということなのかもしれませんね。