私たちは普段の生活でさまざまな人と関わりながら生きています。新しく知り合った人と良好な関係を築くことができるかどうかは、その人の「性格」や「態度」により左右されることが多いですね。そこで2回に分けて、人の性格や態度を表す言葉が、どのような由来で使われるようになったのかについてみていきます。
① 彼は一見ぶっきらぼうに見えるが、実は面倒見が良い。
愛想がないことを表す「ぶっきらぼう」は、『打っ切り棒(ぶっきりぼう)』が変化した言葉だと言われています。『打っ切り棒』とは、水飴を煮詰め、回転させながら引きのばして切った棒状の飴のことです。
その切られた飴がただの棒なのでそこから素っ気ない態度や言動に愛嬌のない人のことを「ぶっきらぼう」と言うようになったそうです。
② あなたはそのあまのじゃくな性格を直すべきだ。
「あまのじゃく」とは、わざと他人の言うことに逆らったりするひねくれ者のことです。漢字では天邪鬼と書き、古代神話に出てくる『天探女(あまのさぐめ)』という悪神の名前が変化したものだと言われています。
『天探女』は古事記や日本書紀にも登場していますが、とても疑い深く人の心の中を探り、その意にわざと逆らうような神でした。ここから、へそ曲がりやひねくれ者のことを指す言葉として使われるようになりました。
③ 私にはざっくばらんに意見を言い合える仲間がいる。
ありのままで隠し事をしない性格を表す「ざっくばらん」とは、自分の心の殻をざっくり割ってぱらりと明かす様を表す言葉で、擬態語の「ざっくり」「ざくり」や「ばらり」「ぱらり」から来た言葉と言われます。江戸時代には「ざっくばらり」という言い方も存在していたようです。
別の説では、江戸時代に髪結いに用いる鬢つけ油で固めた髪をほどくとばらりと乱れた様子を「ざっくばらり」と言ったことが由来だと言われています。