4月は大学入学や就職などで親元を離れて一人暮らしの新生活を始める人が多い時期です。家電量販店に行くと、新生活を始めるための電化製品がセットで販売されているのをよく見ます。
生活に欠かせない家電と言えばテレビがあります。家電量販店には4Kや8Kの薄型大画面のデジタルテレビが店頭に並んでいます。最近は60型の大画面のテレビが10万円を切る価格で販売されていますね。数年前には60型のサイズは50万円以上していましたが、ずいぶん価格が安くなったものです。
ところで、テレビ画面の大きさを表すとき、「〇〇型」という単位を使いますが、この数字にはいったいどのような意味があるのでしょうか?
実はこれは、画面の対角線の長さを表す数字で、単位はインチ(1インチは2.54cm)となります。それならなぜ「○○インチ」と言わずに「○○型」と呼ぶのでしょうか?
この理由は、戦後、テレビがアメリカから日本に入ってきた頃、画面のサイズ表記は欧米の標準規格であるインチを用いたのが現在まで残っているからだと言われています。日本以外のアジア圏諸国でも同様で、テレビ画面のサイズ表記にはインチが使用されています。
ところが日本ではインチという単位は一般的にはなじみの薄い単位でイメージがよくつかめません。そこで、インチで表示される画面サイズを表すために『型』という日本独特の表記に置き換え、それが現在も使われているのです。
またテレビ画面の大きさを表す場合、アナログテレビとデジタルテレビとでは、同じ型数でも画面の大きさが異なり、アナログテレビはヨコ4:タテ3、デジタルテレビはヨコ16:タテ9という比率になっています。
たとえば20型テレビの場合、対角線が20インチ(50.8cm)になるので、アナログテレビだとヨコ40.6×タテ30.9cmくらいに、デジタルテレビだとヨコ44.3×タテ24.9cmくらいの大きさになります。
現在の日本ではデジタルテレビが主流になり、アナログテレビはほとんど販売されないですが、同じ型でも比率の違いで画面の大きさがデジタルテレビとアナログテレビとで違うのは面白いですね。