唐揚げとフライドチキンの違いは「内」と「外」!?

日本人が大好きな食べ物に『鶏の唐揚げ』と『フライドチキン』があります。中高生にとっては弁当や夕食のおかずにもなるし、お父さんにとっては居酒屋のメニューとしても人気があります。ところで皆さんは、この2つの違いが説明できますか?

昔、テレビの某クイズ番組で「唐揚げとフライドチキンの違いは何か?」という問題が出され、解答者のほとんどが正解できなかったのを見たことがあります。

『唐揚げ』と『フライドチキン』はともに鶏肉に薄い衣をつけて油で揚げた料理ですが、実は両者の大きな違いは「内」と「外」にあります。どういうことかと言うと調理法が違うのです。調理するときに、鶏肉そのものに味をつけて揚げる(内)か、鶏肉を包む衣そのものに味をつけて揚げる(外)かの違いになります。

唐揚げの一般的な調理法は、しょうゆ、酒、しょうがなどを鶏肉に漬け込み、肉そのものに下味を付けてから衣を付けて揚げます。それに対し、フライドチキンは鶏肉そのものには味を付けず、溶き卵、牛乳、ハーブ、各種スパイスなどで味付けした衣をつけて揚げます。

つまり、味を付けるのが鶏肉なら唐揚げ、衣ならフライドチキンと言えます。こうした調理法の違いから、和風と洋風の味の傾向に違いが生まれます。鶏肉を油で揚げた料理は古くから世界各地にあり、それぞれの地域の風土や食文化の影響を受けて独自に発展したことが、調理法の違いになったと考えられます。

ところで『竜田揚げ』は唐揚げとどこが違うのでしょうか? チキンタツタという言葉があるとおり、これも鶏肉を薄い衣で包んで油で揚げた、日本人には人気の高い料理ですね。

竜田揚げは鶏肉を醤油とみりんで下味をつけてから、片栗粉をまぶして油で揚げます。調理法は唐揚げとほぼ同じですが、鶏肉の下味にみりんを使うのと、衣には片栗粉を使うというのが唐揚げとの大きな違いになります。