みんなが大好きな回転寿司。ベルトコンベアで流れてくるお寿司をさっと取って食べる手軽さと価格の安さから大人気ですね。もはや日本人のソウルフードと言っても過言ではありません。最近は海外にも進出して「日本食ブーム」に火をつけています。
誰もが一度は行ったことがある回転寿司ですが、これができたのは戦後の昭和30年代初期の頃です。それ以前、寿司は専門の寿司店で食べるのが普通で、ネタによっては「時価」というのもあり、価格が分かりにくいということもありました。つまり寿司は高級品で、庶民の誰もが気軽に食べられるものではないというイメージがありました。
1949年、大阪で立ち喰い寿司屋を営んでいた白石義明さんという人が、たまたまビール工場の見学をしていたときに、ビール瓶がベルトコンベアで運ばれる様子を見て、回転寿司のアイディアを思いついたそうです。そして1959年、白石さんは大阪で『元禄寿司』をオープンさせました。これが日本最初の回転寿司店と言われています。
その後、1962年に寿司をベルトコンベアで運ぶ機械で特許を取得しましたが、ここで問題となったのはベルトコンベアで寿司を回す速さです。速過ぎず遅過ぎず、ちょうど良いスピードはいったいどのくらいなのか? 落ち着いてネタを見られること、子供でも皿を取りやすいこと、満腹感を覚える前に一皿でも多く取ってもらうことを条件に、いろいろと試行錯誤を繰り返した結果、分速4.5mという速さに落ち着いたそうです。
これは秒速7.5cmで、客一人の前を寿司一皿が約6秒で通過していく計算になります。これよりも速度が遅いと、なかなか好みのネタが来ないし、少しの量しか取ってもらえない。逆にこれよりも速いと、取り損ねたり、ネタが乾いたりしてしまうそうです。
そして現在でも、ほとんどの回転寿司の店で、回転寿司の回る速度は分速4.5mの原則が守られているそうです。