日常生活でよく使う言葉に「わかる」があります。この「わかる」という言葉を漢字で表すと「分かる」「解る」「判る」の3つがありますね。ところで皆さんは、それぞれの漢字の使い分けについて「わかって」いるでしょうか?
一般的には「分かる」という漢字が使われる場合が最も多く、ほとんどの場合「分かる」という漢字が用いられます。この「分かる」という漢字はかなり広い範囲で使うことができます。
一方、「解る」と「判る」は文章の中で特定の意味を表す時でしか使うことができないとされています。
「分かる」「解る」「判る」の3つの中で常用漢字とされるのは「分かる」のみで、「解る」と「判る」は常用外漢字となります。したがって新聞、雑誌など公共性が高い文章の中では「分かる」と表記されるのが一般的です。1
説明文や小説などでは「解る」や「判る」も用いられますが、この2つは意味によって使い分ける必要があります。
「解る」の「解」という漢字は「理解」「解釈」の意味で用いられるので、物事の意味や内容、価値がわかるという意味の場合に使われます。たとえば「問題が解る」「意味が解る」「授業が解る」「良さが解る」などのような場合ですね。
これに対し「判る」の「判」という漢字は「判明」「判定」「判断」の意味で用いられるので、事実や真相、結果がわかる場合に使われます。たとえば「犯人が判る」「身元が判る」「真相が判る」「勝敗が判る」などのような場合ですね。
つまり「分かる」「解る」「判る」の3つの漢字は、厳密に言うと、このような表記上の使い分けが必要になるのです。もし文章を書くときに使い分けるのが面倒くさいなら、オールラウンドに使える「分かる」という漢字で誤魔化すのも一つの方法かもしれません。それにしても日本語は難しいですね。