シャンパンファイトはいつから始まったのか?

先日、アメリカ・メジャーリーグでドジャースがトロント・ブルージェイズを破ってワールドシリーズ2連覇を成し遂げました。日本でも全試合がTV放映され、わくわくしながら見ていました。最後まで勝敗が決まらなかった中で、大谷翔平、山本由伸、佐々木朗希の3選手が大活躍してチームをワールドシリーズ優勝に導いたことは、日本人として誇りに思います。

優勝後の祝賀会で、ドジャースの選手が互いにシャンパンをかけあって喜ぶ姿が放映されていましたね。これはシャンパンファイトと呼ばれ、リーグで優勝したり表彰台に上がった選手やチームが、シャンパンをかけあって勝利した喜びを分かち合う行為です。日本のプロ野球でもリーグ優勝したチームの選手が頭からビールをかけあう光景もおなじみですね。

ところで、こうした慣習はいつから始まったのでしょうか?

この起源については、19世紀初頭にナポレオン・ボナパルトが戦勝記念にシャンパンかけを行なったのが始まりだという説があります。ナポレオンは普段からシャンパンを愛飲しており、シャンパンが勢い良く吹き上がる様子を気に入っていたそうです。

スポーツ界でシャンパンかけが行われるようになった由来は諸説あり、1950年、アメリカ・メジャーリーグのセントルイス・ブラウンズ(現ボルチモア・オリオールズ)がシーズン100敗を阻止した喜びの宴(優勝ではない)で行われ、その後、メジャーリーグの優勝祝勝会で行われるようになったとする説があります。

また1967年のル・マン24時間耐久レースで、フォード社製の車で優勝した米国人ドライバーのダン・ガーニーが表彰台でシャンパンかけを行なったという説もあります。この大会スポンサーに大手シャンパンメーカーのモエ・エ・シャンドン社があり、表彰式でシャンパンを提供していたのも背景にあるようです。

日本で初めて「シャンパンファイト」ならぬ「ビールかけ」が行われたのは、1959年(昭和34年)、日本シリーズで読売ジャイアンツを破って日本一になった南海ホークス(現ソフトバンク・ホークス)が始まりとされます。

当時、南海ホークスで活躍していたハワイ生まれ日系二世の内野手カールトン半田が、優勝祝賀会で当時アメリカで行われていたシャンパンファイトを模して『アメリカでは優勝したらこうするんだ』と言いながら、近くの選手にビールをかけ、他の選手も面白そうだと真似してビールをかけあったそうです。

当時、日本では、優勝を祝ってビールで乾杯することはあっても、頭からビールをかけあうという慣習はなく、一体何が始まったのかとその場にいた人は驚いたそうですが、その後、優勝祝賀会でのビールかけは日本プロ野球界に広がっていきました。

選手どうしの乱闘にならなくてよかったですね。ちなみにこの時の優勝祝賀会の会場は畳部屋で、後で会場となったホテルから厳重な抗議を受けたそうです。