学校英語では、○○しなければならないという意味で must を習いますね。この意味の must は強制的なニュアンスを含むため、単なる命令形よりも強い言い方になります。したがって会話では目上の人には普通使われません。
こう聞くと、会話では must を使うのはやめたほうが良いのではと思う人もいると思いますが、実は、相手に対してではなく、Iや We などの1人称と一緒に用いると意外と重宝する表現なのです。以下にその用法を3つ紹介します。
1.相手に言いにくい内容を伝えるとき
相手に少し言いにくい内容をどうしても伝えなければならない場合に Imust ~ の形を用います。『本当はそうしたくないのだけれど、どうしても○○しないといけないの』という、自分の残念な気持ちを相手に伝える表現になります。
(例)I must go. もう行かなきゃ。 ・・これは相手に別れを告げるときの決まり文句です。
2.相手に自分の気持ちを強調して伝えるとき
Weを主語にして、We must ~ という形を用いることで『ぜひとも○○しましょう』という、自分のやりたい気持ちを強調することができます。何か楽しいことをやった後で、『また一緒にやりたい』という気持ちを相手に伝える時に使えます。
(例)We must play baseball again. また絶対に野球しようね。
3.相手への思いやりを伝えるとき
You を主語にして、You must~ という形を用いることで、相手が喜ぶことに誘ったりする時に、『ぜひ○○して下さい』というニュアンスで must を使うと、相手への思いやりの気持ちを表すことができます。
(例)You must come visit us sometime. そのうちぜひ私たちのところに来てね。
また上記以外にも、mustは『なくてはならないもの・絶対に必要なもの』を表す名詞として、会話でもよく使われます。
(例)Advertising is a must for increasing sales. 売上の向上のためには宣伝が必要だ。